「退職したいけど、何から始めればいいかわからない」「引き止められたらどうしよう」「書類はいつ、どう準備するの?」——退職を決意した看護師さんが最初にぶつかる悩みです。
退職手続きには一定のステップがあり、順序を間違えると職場との関係がこじれたり、必要な書類をもらい忘れたりするトラブルにつながります。
この記事では、看護師が退職を決めてから次の職場に移るまでの全ての手続きを時系列でわかりやすく解説します。これを読めば、退職手続きの不安がすっきり解消されます。

退職したいけど何から始めたらいいかわからなくて…。師長に言うのも怖いし。

最初の一歩が一番緊張するよね。でも手順を知っておくと、意外とスムーズに進むよ!

全体の流れを把握しておくだけで気持ちが楽になるから、まずは順番に確認していこう。
この記事で分かること
看護師が退職するまでの基本的な流れ

まずは退職決意から最終出勤日まで、全体の流れを把握しておきましょう。
STEP1:退職日を決める(退職希望日の2〜3ヶ月前)
看護師の場合、就業規則で「退職の申し出は〇ヶ月前まで」と定めているケースがほとんどです。一般的には1〜3ヶ月前が多く、病棟の人員調整・後任育成を考慮すると2〜3ヶ月前に申し出るのがベストです。転職先の入職日から逆算して退職日を決めましょう。
STEP2:直属の上司(師長)に退職の意思を伝える
退職の意思は、必ず直属の上司(病棟師長)に口頭で最初に伝えるのが基本マナーです。同僚に先に話す、突然の書面提出など、順序を飛ばすとトラブルになる場合があります。「お時間よろしいですか」と個別に時間を取ってもらい、落ち着いた場で伝えましょう。
STEP3:退職届を提出する
上司への口頭報告後、病院の規定に従って退職届(または退職願)を提出します。提出先・書式・提出方法は病院によって異なるため、師長や事務部門に確認しましょう。退職願は「お願いする文書」、退職届は「通知する文書」と意味が異なりますが、多くの病院では「退職届」の書式が用意されています。
STEP4:業務の引き継ぎを行う
担当患者の状況・進行中の処置・申し送り事項などを後任や同僚に引き継ぎます。引き継ぎ書を作成しておくと、後任者が困らずスムーズです。「自分がいなくなっても困らない状態」にすることが、円満退職への大きな鍵です。
STEP5:備品の返却・最終出勤日の手続き
最終出勤日には、職員証・ロッカーの鍵・ユニフォーム・貸与品などを返却します。また、職場の方への挨拶も忘れずに行いましょう。お世話になった先輩・同僚への感謝を伝えることで、気持ちよく職場を後にできます。
STEP6:退職後の各種手続き
退職後は、健康保険・年金・雇用保険(失業給付)などの手続きが必要です。転職先が決まっている場合は入職日に切り替わることが多いですが、転職先が未定の場合は自分で国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になります。

2〜3ヶ月前が理想なんだね。転職先の入職日から逆算して考えるのが大事か。

引き継ぎ資料って具体的に何を書けばいいんだろ?担当患者さんのこととか?

そう!担当患者の状態・処置内容・申し送り事項・進行中の業務などを文書にまとめておくと後任者が困らないよ。自分がいなくなっても回る状態にするのが目標。
退職の意思を伝えるタイミングと方法

「いつ、どうやって退職を伝えるか」は、退職手続きの中で最も緊張する場面です。ポイントを押さえておきましょう。
タイミング:就業規則を確認した上で早めに
まず就業規則で「退職申し出の期限」を確認しましょう。多くの病院では1〜3ヶ月前が規定されています。法律上は「2週間前までに申し出れば退職できる」とされていますが、看護師の場合は人員補充に時間がかかるため、できれば2〜3ヶ月前に伝えるのが職場への配慮として望ましいです。
伝え方:まず師長に個別で口頭報告
退職の意思は、必ず師長(直属上司)に最初に個別で伝えましょう。「少しお時間いただけますか」と声をかけ、静かな場所で話します。このとき同僚にはまだ話さないこと。師長への報告前に広まると、人間関係がこじれる原因になります。
退職理由は簡潔・前向きに
退職理由は「一身上の都合」で構いませんが、もし理由を聞かれた場合は「新しい環境でキャリアを広げたい」「家庭の事情で」など、前向きかつ簡潔に答えましょう。「人間関係が嫌だった」「給料が低い」などネガティブな理由を詳しく話すと、引き止めの材料にされたり、気まずくなることがあります。
退職日は具体的に伝える
「〇月〇日で退職したい」と具体的な日付を最初から伝えることが大切です。「いつでもいい」「相談しながら決めたい」という姿勢だと、退職日が先延ばしにされるリスクがあります。自分の希望を明確に持って臨みましょう。

退職を「相談」じゃなくて「報告」として伝えるって、すごく大事な視点だ。言い方一つで全然違うよね。

私が退職したとき「辞めようと思ってるんですが…」って言ったら2時間引き止められたんだよね(笑)。決意として伝えればよかったって今でも思う。

あるある!曖昧な言い方は引き止める余地を与えちゃうから、「〇月〇日で退職させていただきます」って言い切るのが大事だよ。
退職前に準備しておくこと・必要な書類

退職前にやっておくべきこと・準備する書類を確認しておきましょう。漏れがあると後で困ることがあります。
①有給休暇の消化を確認する
退職前に残っている有給休暇を消化する権利があります。退職日に向けて有給を計画的に使えるよう、残日数を確認し師長と相談しましょう。「有給を使わせてもらえない」という場合は、労働基準法上の権利として主張できます。
②退職届の書き方・提出先を確認する
退職届は、基本的に黒のボールペンまたは万年筆で手書きが正式とされています。書式が定められている病院では、事務部門から用紙をもらいましょう。記載内容は「退職日・署名・日付」が最低限必要です。コピーを手元に残しておくと安心です。
③引き継ぎ資料を作成する
担当患者の状態・処置内容・家族への連絡事項・進行中の業務などをまとめた引き継ぎ資料を作成しましょう。口頭だけでは情報が抜けやすいため、文書化することで後任者も安心して業務を引き継げます。
④転職先が決まっている場合は入職日の確認
退職日と次の職場の入職日の間に空白期間がある場合、健康保険・年金の切り替えが必要です。転職先の入職日に合わせて退職日を調整するか、空白期間の保険手続きを事前に確認しておきましょう。

有給って退職前にちゃんと使えるの?なんか「忙しいから無理」って言われたことある人もいるよね。

法律的には労働者の権利だから、職場に拒否権はないんだよ。ただ、早めに計画的に申請するのがスムーズな方法だね。

退職届のコピーを残しておくってのも大事なんだね。提出した証拠になるから。
退職後に受け取るべき書類チェックリスト

退職後に病院から受け取る書類は、次の就職・保険・税金などに必要なものが多いです。受け取り漏れがないようチェックしましょう。
①離職票(雇用保険被保険者離職票)
失業給付(雇用保険)を申請する際に必要な書類です。転職先が決まっていても、念のため受け取っておきましょう。退職後10日〜2週間程度で送付される場合が多いです。
②雇用保険被保険者証
転職先に提出が必要な書類です。手元にない場合は、ハローワークで再発行できます。
③源泉徴収票
年末調整・確定申告・転職先での税務手続きに必要な書類です。退職年度の源泉徴収票は、退職後1ヶ月以内に発行されます。転職先に提出する場合もあるため、必ず受け取りましょう。
④健康保険資格喪失証明書
転職先の健康保険に加入するまでの間、国民健康保険に加入する際に必要な書類です。退職後すぐに転職先がある場合は不要なことが多いですが、空白期間がある場合は必ず請求しましょう。
⑤年金手帳(または基礎年金番号通知書)
転職先に厚生年金の加入手続きで提出が必要なことがあります。手元にあるか確認し、なければ年金事務所で再発行できます。
⑥退職証明書
退職した事実を証明する書類で、転職先から提出を求められる場合があります。必要な場合は退職前に職場へ発行を依頼しましょう。

離職票って転職先が決まってても受け取った方がいいの?

念のため受け取っておくのがベスト!転職がうまくいかなかった場合や、空白期間ができた場合に必要になるから。

源泉徴収票は転職先に提出するんだね。もらい忘れないようにしないと!
円満退職のための5つのポイント

退職は「終わり」ではなく「次へのスタート」。円満に退職することで、転職後も良い関係が続きます。
①退職の意思は「相談」ではなく「報告」として伝える
「退職を考えているんですが…」という言い方だと、引き止めの余地を与えてしまいます。「〇月〇日で退職させていただきたいと思います」と決意として伝えることで、交渉ではなく手続きの話として進めやすくなります。
②引き継ぎは丁寧に・余裕をもって行う
「あの人が辞めてから大変になった」と言われないよう、引き継ぎを丁寧に行いましょう。自分の担当業務・患者情報をしっかり文書化し、後任者がスムーズに動けるよう準備することが、プロとしての最後の仕事です。
③最終日の挨拶を忘れずに
お菓子など簡単な手土産を持参して、スタッフへの感謝の挨拶をしましょう。「お世話になりました」の一言が、その後の関係性に大きく影響します。医療業界は意外と狭く、転職先で元同僚と再会することもあります。
④SNS・グループLINEへの投稿は慎重に
「辞めることが決まった!」をSNSに投稿したり、スタッフのグループLINEで先に広めたりすることは避けましょう。師長への報告前に情報が広まると、職場の雰囲気が悪くなりトラブルになりやすいです。
⑤ネガティブな発言は控える
退職が決まった後も、職場への不満・愚痴を同僚の前で話すのは控えましょう。「辞めるからもう関係ない」という態度は周囲に悪印象を残します。最後まで誠実な姿勢を保つことが、プロフェッショナルとしての在り方です。

「最後まで誠実に」って本当に大切だよね。辞めるからって手を抜いたり愚痴を言いまくったりすると、自分の評判が下がるだけだし。

医療業界って狭いから転職先で元同僚に会う可能性もあるって聞いたことある。確かに印象は大事だね。

SNSで退職を先にバラすのも要注意だよ。師長への報告前に広まると一気に雰囲気が悪くなるから。
「退職させてもらえない」「引き止められる」ときの対処法

看護師の退職で多いトラブルが「引き止め」です。どう対処すればよいか確認しておきましょう。
「今辞められたら困る」と言われたら
気持ちは理解しつつも、「退職の意思は変わりません。○月○日までに引き継ぎをしっかり行います」と毅然と伝えましょう。相手の感情に引っ張られて退職日を先延ばしにすると、ずるずると長引くリスクがあります。
「もっといい条件にするから残ってほしい」と言われたら
給与アップや部署異動など条件改善を提示されることがありますが、「今の職場が嫌」という根本的な理由がある場合は、その条件を受け入れても問題は解決しないケースがほとんどです。転職を決意した理由を改めて自分に確認し、ブレない姿勢を保ちましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
退職届を受け取り拒否された場合は、内容証明郵便で送付することが有効です。法律上、退職の申し出は相手の同意がなくても成立します(民法627条)。退職届が到達した日から2週間後には退職が成立するため、法的に職場を去ることができます。
退職代行サービスの利用も選択肢に
「どうしても自分で言い出せない」「ハラスメントがあって直接話せない」という場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の一つです。弁護士が運営する退職代行であれば、法的なサポートを受けながら安全に退職手続きを進めることができます。

内容証明郵便で退職届を送れるって知らなかった!受け取り拒否されても法的に退職できるんだね。

退職代行サービスって最近よく聞くけど、本当に怖くて言い出せない場合の最終手段として覚えておくといいよ。

弁護士が運営しているサービスなら法的にも安心。「どうしても自分では無理」という状況なら選択肢として持っておいて。
よくある質問(Q&A)

Q1. 退職届と退職願はどちらを出せばいい?
「退職願」は退職をお願いする文書で、「退職届」は退職を通知する文書です。病院が書式を指定している場合はそれに従いましょう。指定がない場合、最初は「退職願」で提出し、受理後に「退職届」に切り替える流れが一般的です。どちらも提出前にコピーを取っておくことをおすすめします。
Q2. 有給が残っているけど消化できる?
法律上、有給休暇は労働者の権利です。残っている有給は退職前に消化できます。「忙しいから無理」と言われても、労働基準法上は拒否できません。退職日から逆算して計画的に申請しましょう。
Q3. 退職後、失業給付はもらえる?
雇用保険に加入していた場合、一定の条件を満たせば失業給付(基本手当)を受給できます。自己都合退職の場合は2〜3ヶ月の給付制限期間がありますが、特定の理由(ハラスメント・体調不良など)の場合は「特定受給資格者」「特定理由離職者」として、給付制限なしで受給できる場合もあります。ハローワークに相談してみましょう。
Q4. 退職後の健康保険はどうなる?
退職後は、①転職先の健康保険に加入、②任意継続(退職前の健康保険を最大2年間継続)、③国民健康保険に加入——の3つの選択肢があります。それぞれ保険料や手続きが異なるため、転職のタイミングや空白期間に応じて選びましょう。加入手続きは退職翌日から14日以内が期限です。
Q5. 転職先が決まる前に退職するのは問題ある?
経済的な余裕があれば問題ありません。ただし、収入がない期間が発生するため、失業給付の手続き・生活費の確保・転職活動の期間を見込んで計画的に動きましょう。転職先が決まってから退職する「在職中転職活動」の方が、収入が途切れずに安心です。

失業給付って自己都合でも待機期間がある場合とない場合があるんだね。ハラスメントが理由なら給付制限なしになる可能性もあるって、知らなかった!

健康保険の切り替えって14日以内なんだ。退職後すぐ手続きしないといけないから、忘れないようにしなきゃ。

在職中に転職活動するのが収入的に一番安心だよね。焦って辞める前に転職先を探しておくのが理想。
まとめ:退職手続きは順序よく・早めに動くのがポイント

退職手続きは「何となく怖い」と感じる方が多いですが、正しい順序と準備をすれば、スムーズに進めることができます。
この記事のポイントをまとめます。
- 退職の申し出は2〜3ヶ月前が理想。就業規則を必ず確認する
- 退職の意思は必ず師長に最初に口頭で伝える。同僚への先触れはNG
- 退職理由は「一身上の都合」「新しいキャリアのため」と前向きに
- 離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証など、受け取るべき書類を確認する
- 引き止めには毅然と「意思は変わらない」と伝え、退職届は必ず提出する
- 引き継ぎを丁寧に行い、最後まで誠実に勤め上げることが円満退職の鍵
退職は、新しい自分へのスタートです。不安な気持ちを持ちながらも、一歩一歩手続きを進めていきましょう。転職先が決まっている方は、転職エージェントに入職手続きのサポートもお願いできます。ぜひ活用してください。

この記事を読んで、退職手続きの全体像がすっきりわかった!知っておくだけで全然不安が違う。

手順通りに進めれば大丈夫。一つ一つクリアしていけば、必ずゴールにたどり着けるよ!

よし、まず就業規則を確認して、退職日の目安を決めるところから始めてみる!